1975年版を考察

◆1975年
 発売されたカードは、通し番号bT05から935(74年版の続き)と、bPから324まで。枚数としては、721枚発行されている。球団別数をみると、巨人が3年連続で、1位。
 パ・リーグは、過去2年、太平洋が1位だったが、この年は、阪急が52枚で1位。
 通し番号が、74年の続きというのは、どうしてだろうか? で、途中からbPからスタートしているのも、よくわからない。
 いろんなシリーズがあるのもこの年の特徴。

◆球団別選手数調査
 @巨人  (196枚)27.18%  @阪急  ( 52枚)07.21%
 A広島  (141枚)19.56%  A南海  ( 36枚)
04.99%
 B阪神  ( 91枚)12.62%  B近鉄  ( 29枚)
04.02%
 C中日  ( 89枚)12.34%  C太平洋 ( 26枚)
03.61%
 Dヤクルト( 23枚)03.19%  D日ハム (  7枚)
00.97%
 E大洋  ( 21枚)02.91%  ○混合  (  5枚)
00.69%
 
E大洋  ( 21枚)02.91%  ○他   (  5枚)00.69%

 混合とあるのは、73年と同様、1枚のカードに複数チームの選手が写っているもの。ただし、同一チームの選手のみで構成されているものについては、そのチームの中に含めた。
 また、他とあるのは、球場、オールスターのカードなどで特定の球団に数えられないもの。
 円グラフ1「球団別選手数調査」

◆1975年のカードは?
 この年は、細かくいろんなタイトルが付けられている。
・bT04〜576(白熱戦シリーズ)
・bT77〜648a(キャンプシリーズ)(注 bU48は、2種類発行されている)
・bU48b〜755(開幕シリーズ)
・bV56〜827(打撃戦シリーズ)(注 bV92から827は、重複している)
・bV92〜827(首位攻防戦シリーズ〈中日ドラゴンズ版〉)
・bW28〜863(激戦逆転シリーズ)
・bW64〜899(首位攻防戦シリーズ〈広島東洋カープ版〉)
・bX00〜935(首位攻防戦シリーズ)
・bP〜36(50・オールスターシリーズ)
・bR7〜72(首位攻防戦シリーズ〈中日ドラゴンズ版〉)
・bV3〜144(首位攻防戦シリーズ)(注 タイトルが「がんばれ〜」が多数存在する)
・bP45〜180(首位攻防戦シリーズ〈広島東洋カープ版〉)
・bP81〜288(首位攻防戦シリーズ)(注 タイトルが「がんばれ〜」、及び「日本シリーズ」が多数存在する)
・bQ89〜324(スターへの歩み)
・bQ89〜324(赤ヘル軍団突撃シリーズ)(注 bQ89から324は、重複している)

 順に、カードを掲載しながら解説していこう。

@bT04〜576(白熱戦シリーズ)
 ここでは、過去(おそらく、大部分のものは75年シーズン中)の写真を使用して、選手の個々の解説をしている。
 また、長嶋監督の現役時代の写真をセピア色に加工したカードも多数発行されている。現役を引退した直後に、準シリーズ的になっていると思われる。
       
bT28 柴田勲(巨人)         bT65 長嶋茂雄(巨人)


AbT77〜648a(キャンプシリーズ)
 75年春季キャンプ時の写真を使用して発行されている。表面をよく見ると、キャンプ地が記載されている。左下は、巨人・宮崎キャンプ。右下は、阪神・安芸キャンプ。ともに、キャンプ時らしい写真が使用されている。特に、阪神の安芸キャンプでの江夏の写真は面白い。シーズン始まる前の少し太り気味の状態を映しながら、安芸の街並みを見下ろす構図は、凝っているね。
 私が安芸を初めて訪れたのは、98年の春。もちろん、この撮影場所を確認しにも行ったのだが、正確な位置の特定までには至らなかった。
        
bU05 定岡正二(巨人)        bU15 江夏豊(阪神)

BbU48b〜755(開幕シリーズ)
 タイトル通り、75年開幕時の写真を使用して、選手を紹介したカード。副題も付けられていて、神部投手には「近鉄投手陣の柱」、上田投手には「タイガース優勝の鍵」。
        
bV26 神部年男(近鉄)         bV49 上田二朗
(ファーストカード)

CbV56〜827(打撃戦シリーズ)(注 bV92から827は、重複している)
 ここでは、パ・リーグのスラッガー4選手を紹介する。なお、タイトルが「打撃戦シリーズ」とはいうものの、実際には投手も登場している。
        
bV73 張本勲(日ハム)         bV77 土井正博(太平洋)

        
bW22 森本潔(阪急)          bV89 加藤秀司(阪急)

DbV92〜827(首位攻防戦シリーズ〈中日ドラゴンズ版〉)
 どうやら、地方限定らしい。名古屋地区のみか? 
     
bW03 中日球場              bW24 正岡真二(中日)

EbW28〜863(激戦逆転シリーズ)
 このシリーズは、コメントも面白い。あんまり現役時代を知らない二人を掲載する。
          
bW35 土屋正勝(中日)          bW55 中塚正幸(大洋)
                       (ファーストカード)

FbW64〜899(首位攻防戦シリーズ〈広島東洋カープ版〉)
 D同様、地方限定らしい。広島地区のみか? 

bW94 R・シェーン

GbX00〜935(首位攻防戦シリーズ)
 シーズン前半(オールスター前)あたりの写真を使って紹介されているカード群。昨年からの通し番号で発行していたカードは、ここでいったん途切れる。
          
bX00 田淵幸一(阪神)          bX22 野村克也(南海)

HbP〜36(50・オールスターシリーズ)
 なぜか、75年半ばにして、bェ、1から再スタートとなる。なぜ?
 オールスターならではのシーンのカードを4枚紹介する。

コーチとして参加している長嶋茂雄
          
bP8 投手交代               bQ9 投手交代
長嶋茂雄(巨人) 星野仙一(中日)      長嶋茂雄(巨人) 池谷公二郎(広島)

開会式の様子
         
bP6 王貞治(巨人)            bP7 パリーグ選手
                       ん? 有藤(ロッテ)の姿がかろうじて…

IbR7〜72(首位攻防戦シリーズ〈中日ドラゴンズ版〉)
 地方限定らしい。
         
bT2 谷沢健一(中日)           bT4 松本幸行(中日)

JbV3〜144(首位攻防戦シリーズ)(注 タイトルが「がんばれ〜」が多数存在する)
 この期間のカードは、首位攻防戦シリーズともうひとつ「がんばれ〜(〜はチーム名)」が存在する。

「首位攻防戦シリーズ」
        
bP02 外木場義郎(広島)        bP33 ローン・ウッズ(中日)

「がんばれ〜」
       
bP43 白仁天(太平洋)         bP05 江本孟紀(南海)
(がんばれライオンズ)           (がんばれホークス)

KbP45〜180(首位攻防戦シリーズ〈広島東洋カープ版〉)
 地域限定版。
      
bP74 広島球場          bP77 宮本幸信(広島)

LbP81〜288(首位攻防戦シリーズ)(注 タイトルが「がんばれ〜」、及び「日本シリーズ」が多数存在する)
 ひとくくりでまとめるのは難しいが、このカード群は、3種類が混合している。
「首位攻防戦シリーズ」
       
bQ30 星野仙一(中日)         bQ34 R・マルカーノ(阪急)

「がんばれ〜」
       
bP81 野村克也(南海)         bQ44 江夏豊(阪神)
(がんばれホークス)           (がんばれタイガース)

「日本シリーズ」
 ここでは、捕手二人をピックアップ。写真は、日本シリーズのものが採用されているようだ。
       
bQ82 道原博幸(広島)         bQ67 水沼四郎(広島)
(ファーストカード)

MbQ89〜324(スターへの歩み)
 面白いカードだ。丸枠や、画面半分等で、昔の写真と今の写真とを見比べることができるシリーズである。
      
bQ90 王貞治(巨人)             bR14 松原誠(大洋)
白黒写真は、早稲田実業高時のもの         白黒写真は、大洋入団時のもの

NbQ89〜324(赤ヘル軍団突撃シリーズ)(注 bQ89から324は、重複している)
 75年のセ・リーグの覇者は広島。日本シリーズに出場したので、このようなタイトルで発行されたのだろう。結局、阪急に敗れて日本一は逃したが、野球ファンに「赤ヘル」を印象付ける年となった。写真は日本シリーズ時のものを使用。
 ここでは、他ではあまりカード化されない選手2名を紹介する。
       
bR04 佐伯和司(広島)            bR09 久保俊巳(広島)
                         (ファーストカード)

◆1975年シーズンを振り返って
 セ・リーグ優勝は広島。球団創設以来、初優勝である。シーズン途中から指揮を任された古葉監督が、山本、衣笠らの主力をうまく使い、投げては外木場、池谷らが大活躍した。
 一方、パ・リーグでは、阪急が優勝。この年から阪急は、パリーグ4連覇(日本一3回)と黄金期を迎えることとなる。
 オールスター戦で本塁打を放つ山本(浩)
bV(50・オールスターシリーズ)

◆どちらかがエラーカード?
 下の写真のカードは、ともにbW21である。どちらかが誤って印刷されているのか? よくわからない。実は、マーチンの方は名古屋版。高木は通常版。bV92から827は、番号が重複している。
 
左から
bW21 T・マーチン(中日)         (裏面)
bW21 高木守道(中日)

◆1975年版カード収集について
 この選手が欲しいという理由で、手に入れようとは思わないが、もし、5〜6枚をこれからなんとかして集めようとするのであれば、やはり、広島、中日の地方限定であろう。地方限定版のものを集めるのは非常に厳しい。1枚5千円ぐらいならカードショップで見かけるのであるが…。

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