1988年版を考察

◆1988年
 この年の集計は、少し複雑である。枚数は、通番がbPから329まで。しかし、bU3は、東京ドームの紹介カードと、中西(阪神)の2種類が存在するため、それぞれ1枚とカウント、同様に、bR05も、珍プレー紹介カードと清原(西武)の2種類がこれまた存在するため、それぞれ1枚とカウントした。なお、bS3は2種類存在するが、2枚とも中西(阪神)のため、球団別選手数としては、1枚とカウントした。
 結論として、カードの種類は、332種類、球団別選手数に使用した総数は、331とした。
 この他に、bP2 バース(阪神)は、表面の色違いが存在することがわかっている。
 球団別選手数を調べると、1位は巨人。阪急は331枚中9枚って…、これじゃあ、…。

◆球団別選手数調査
 @巨人   (58枚)17.52%   B西武   (50枚)15.11%
 A中日   (54枚)16.31%   G日ハム  (15枚)
04.53%
 C広島   (41枚)12.39%   H近鉄   (13枚)
03.93%
 D阪神   (22枚)
06.65%   I南海   (11枚)03.32%
 Eヤクルト (20枚)06.04%   Jロッテ  (10枚)
03.02%
 F大洋   (18枚)
05.44%   K阪急   ( 9枚)02.72%
 

 L他(東京ドーム、珍プレー)(10枚)

 円グラフ1「球団別選手数調査」

◆カードの分類
 発行時期などを考慮すると、もっと細かく分類できると思うが、私が考えた結論としては以下のとおり。
@bP〜50
AbT1〜100
BbP01〜109(bP06を除く)
CbP10〜115
DbP06、116〜189
EbP90〜239
FbQ40〜289
GbQ90〜304
HbR05a
IbR05b、306〜329

@bP〜50
 正確な分類ではないかもしれない。私がbT0と51で分けたのは、bP〜5と、bT1〜55とが、同じ選手であったから。まあ、同じ時期に発行はしていないだろうし、この並びで同じメンバーが同シリーズで発行されないだろうということで、この分類にした。
 裏面の項目は共通で、●出身、●入団経路、●昨年の成績、●推定年棒、●主なタイトル、●所有車の6項目となっているが、bP9の東京ドームだけは、東京ドームを紹介する文章となっている。
 “◆異種を紹介”で記載するが、このシリーズで、bP2のバースだけ、表面文字の異種が存在する。
            
bP 原辰徳(巨人)(表面)           (裏面)

         
bP9 東京ドーム(表面)            (裏面)

AbT1〜100
 bT1から100までは、基本的には@シリーズを踏襲していると思われる。裏面の項目も同じであるが、この年に入団してカードになった立浪(中日)、芝草(日ハム)、島田直(日ハム)、近田(南海)については、●昨年の成績、●所有車の2項目が、それぞれ、●高校時の実績、●理想のタイプとなっている。また、外国人選手(新入団選手も含めて)は、●昨年の成績が、●通算成績となっている。
 また、東京ドームの紹介カードも8枚、このシリーズに含まれている。

左から
bW6 近田豊年(南海)(裏面)
bX9 オグリビー(近鉄)(裏面)

BbP01〜109(bP06を除く)
 このシリーズの8枚は、表面に“栄えある開幕投手”と記載されている。ただし、本来なら12球団各チームに開幕投手がいるはずであるが、ここで発行されている投手は8選手。欠端(大洋)、西川(南海)、佐藤義(阪急)、西崎(日ハム)の4名は、ここではカード化されなかった。理由はわからない。欠端、佐藤義は、この時点でまだカード化されていなかったからかも。
 また、このシリーズは、テレビの画面から画像を起こしていると思われる。そのため、写真はピンボケのものばかり、というかピンボケのものしかない。
 裏面は、各チームの過去5年間の開幕戦成績、開幕投手名及びシーズン最終成績が記載されている。

左から
bP01 桑田真澄(巨人)
bP08 尾花高夫(ヤクルト)


左から
bP01 桑田真澄(巨人)(裏面)
bP08 尾花高夫(ヤクルト)(裏面)

CbP10〜115
 おそらく、Bと同じ時期に発行されたと思われる。ここでは、デシンセイ(ヤクルト)、クロマティ(巨人)、小早川(広島)、ガリクソン(巨人)、西本(巨人)、石毛(西武)の6枚が、カードとなっている。表面の写真は、Bと同様、テレビの画面から起こしたものである。ただし、表面に文字はない。
 裏面の内容は、開幕戦もしくは開幕シリーズの記載が中心になっている。

左から
bP10 デシンセイ(ヤクルト)
bP14 西本聖(巨人)


左から
bP10 デシンセイ(ヤクルト)(裏面)
bP14 西本聖(巨人)(裏面)

DbP06、116〜189
 まずは、bP06について。このカードは、たいへん多く出回っている。しかも、BCシリーズの狭間で、ほかのカードと明らかに異彩を放っている。BCがあまり多く存在しないことを考えると、BCは、写真がイマイチで発行が打ち切りになったのではないか。そして、この106だけは、打ち切りせずに、発行され続けたのではないかと思われる。私も、このカードを全部で4枚持っている。
 なお、189で区切ったのは、190からは、裏面のデザインが変更されたため。裏面の記載については、シーズン5月下旬ぐらいまでの成績や状況となっている。

左から
bP06 長島清幸(広島)
bP24 村田兆治(ロッテ)
bP89 西崎幸広(日ハム)


左から
bP06 長島清幸(広島)(裏面)
bP24 村田兆治(ロッテ)(裏面)
bP89 西崎幸広(日ハム)(裏面)

EbP90〜239
 ここから、カード裏面の体裁が変わる。裏面右下段に“〜bQ39”と記載されている。裏面の文章は、7月現在となっているものや、7月26日現在とか、日付を記載したものと様々。
 紹介している遠山(阪神)や、水野(巨人)は、写真がピンボケである。テレビから画像を起こしたのかもしれない。

左から
bP98 吉井理人(近鉄)
bQ15 新浦寿夫(大洋)
bQ21 遠山昭治(阪神)


左から
bP98 吉井理人(近鉄)(裏面)
bQ15 新浦寿夫(大洋)(裏面)
bQ21 遠山昭治(阪神)(裏面)

FbQ40〜289
 このシリーズは、カード化された選手の球団が限られており、発行された50枚のうち、
・中日10枚、巨人14枚、広島13枚、西武11枚、近鉄2枚
となっている。
 理由は、おそらく、優勝争いをしている球団のみの発行ということであろう。また、裏面右下段に“〜bQ89”と記載されている。

左から
bQ48 水野雄仁(巨人)
bQ51 津田恒美(広島)
bQ58 郭泰源(西武)


左から
bQ48 水野雄仁(巨人)(裏面)
bQ51 津田恒美(広島)(裏面)
bQ58 郭泰源(西武)(裏面)

GbQ90〜304
 このシリーズは、全て中日の選手のみで構成されている。裏面右下段には、“〜bR04”と記載されている。この時は、優勝が中日と決まっていたのかも。ただし、パ・リーグの西武は、発行されていない。あの有名な近鉄ダブルヘッダーまでもつれたし、発行時期に間に合わなかったんだろうね。

左から
bQ93 近藤真一(中日)
bQ98 中尾孝義(中日)
bR03 立浪和義(中日)


左から
bQ93 近藤真一(中日)(裏面)
bQ98 中尾孝義(中日)(裏面)
bR03 立浪和義(中日)(裏面)

HbR05a
 このシリーズといっても、該当するのは1枚のみ。表の写真は、左から右へと移る連続写真になっている。また、フィルムをイメージしたものなのか、上下に白黒のイラストが載せてある。
 裏面には、タイトルで“珍プレー @” と記載されているので、AやBが発行される予定があったのかもしれない。また、裏面右下段には、“〜bR05”と記載されている。
 なお、このカードは、私の分類上、石橋貢(大洋)のファーストカードとしている。

bR05a 珍プレー(表面) (裏面)

IbR05b、306〜329
 このシリーズは、この年最後のシリーズで、優勝チームの選手及びタイトル獲得選手のみが金枠で登場している。おそらく、日本シリーズの頃(もっと遅い時期かも)以降に発行されたものと思われるカード。中日、西武の選手のみで、構成されている。25枚の内訳は、
・中日9枚、西武10枚、広島2枚、南海1枚、大洋2枚、日ハム1枚 となっている。
 また、裏面はパ・リーグ(セ・リーグ)優勝もしくはタイトル名、チーム名、選手名 守備位置、背番号が、枠内に大文字で書かれている。また、裏面右下段には、“〜bR29”と記載されている。

西武ライオンズ
 写真は、以前使用されていたものが使用されている。特記は、この年で引退した東尾は、この金枠カードには登場していないこと。残念な気がする。日本シリーズでも活躍していたのに。
・bR05 清原和博 ← bQ78     ・bR18 秋山幸二 ← bQ77
・bR06 辻発彦  ← bQ79     ・bR19 渡辺久信 ← bQ56
・bR07 伊東勤  ← bQ80     ・bR20 石毛宏典 ← bQ59 
・bR08 バンバークレオ ← bQ81  ・bR21 郭泰源  ← bQ58
・bR09 平野謙  ← bQ89     ・bR27 工藤公康 ← bQ57

左から
bR05a 清原和博(西武)
bR08 バンバークレオ(西武)
bR18 秋山幸二(西武)


左から
bR05a 清原和博(西武)(裏面)
bR08 バンバークレオ(西武)(裏面)
bR18 秋山幸二(西武)(裏面)

中日ドラゴンズ
 写真は、以前使用されていたものが使用されている。シーズンほぼフルに出場し、新人王も獲得した立浪は、9名の中に入らなかった。また、bR29の小野は、優勝メンバーという枠ではなく、最多勝というタイトル獲得枠での登場である。
・bR10 鈴木孝政 ← bQ90     ・bR15 宇野勝  ← bQ99
・bR11 小松辰雄 ← bQ91     ・bR16 落合博満 ← bR00
・bR12 杉本正  ← bQ94     ・bR17 郭源治  ← bR02
・bR13 仁村徹  ← bQ95     ・bR29 小野和幸 ← オリジナル
・bR14 ゲーリー ← bQ97     (ファーストカード)

左から
bR12 杉本正(中日)
bR14 ゲーリー(中日)
bR16 落合博満(中日)


左から
bR12 杉本正(中日)(裏面)
bR14 ゲーリー(中日)(裏面)
bR16 落合博満(中日)(裏面)

タイトル獲得者

左から
bR23 門田博光(南海)
bR24 ポンセ(大洋)
bR28 西崎幸広(日ハム)


左から
bR23 門田博光(南海)(裏面)
bR24 ポンセ(大洋)(裏面)
bR28 西崎幸広(日ハム)(裏面)


◆異種を紹介
 同一bナ2種類以上のカードが存在するもののみを記載
  aタイプ bタイプ 備考
12 バース(阪神)表面赤色文字 バース(阪神)表面黄色文字 abc
43 中西清起(阪神)ビジター 中西清起(阪神)ホーム abc
63 東京ドーム 中西清起(阪神) acd
305 珍プレー 清原和博(西武) ace

1 表面文字色違い
 私が知っている中では、88年の表面文字色違いは、bP2のバース(阪神)のみ。88年のカードを何枚も観察したが、このカード以外なかった。前後のカード(阪神タイガースの選手)を調べてみたが、
bP0 掛布(阪神)黄色
bP1 岡田(阪神)赤色
bP2 バース(阪神)黄色、赤色
bP3 真弓(阪神)赤色
となっているので、特に、決まった法則もルールもなかったんだと思う。85年のように、印刷場所が異なっていて、色や文字位置の異なるものが存在しているのかも不明。
 ちなみに、裏面は全く同じ。市場に出回っている数は、ほぼ同数だと思われる。

左から
bP2aタイプ バース(阪神)表面赤色文字
bP2bタイプ バース(阪神)表面黄色文字

2 写真違い
 同一ナンバーで、写真が異なるものは、この中西(阪神)のみ。このケースは何だか訳ありって感じだ。実は、bU3の中西(阪神)と写真も文字色も全く同じ。製作者が、bS3とbU3の写真が同じであるということに印刷後に気づき、急遽差し替えたのではないだろうか。
 市場に出回っている数は、ほぼ同数だと思われる。

左から
bS3aタイプ 中西清起(阪神)ホーム
bS3bタイプ 中西清起(阪神)ビジター

3 1つが選手、もう1つが東京ドーム
 2と同様に、製作者が誤ってたことに気づき、急遽差し替えて作ったのだと思う。あくまでも推測であるが、本来は、bS3はaタイプ、bU3はbタイプが発行予定であったが、何らかの理由でそれぞれ両方aタイプの中西(阪神)が発行されたため、こうなったんだと思う。
 aタイプの裏面はbS3とhネ外は同じ。bタイプの東京ドームの裏面は、他のナンバーに同じものがないオリジナル文章。やはり、こっちが最初に準備されていたカードだと思う。
 ちなみに、東京ドームカードはbP9、bT6及びbU1〜66、bX4までの9枚が発行されている。
 
市場に出回っている数は、aタイプの方が圧倒的に多いかと思われる。

左から
bU3aタイプ 中西清起(阪神)
bU3bタイプ 東京ドーム


4 1つが珍プレー、もう1つが選手
 これは、珍しい組み合わせである。珍プレーカードの裏面には、“珍プレー@”と記載されているので、A、Bと続く予定でいたのかもしれない。また、bR05からは、金枠で優勝チーム選手及び表彰選手カードが発行されている。
 市場に出回っている数は、aタイプの方が圧倒的に多いかと思われる。

左から
bR05aタイプ 珍プレー@
bR05bタイプ 清原和博(西武)


東京ドーム紹介カードが結構ある。詳しくは、球場の紹介カードコラムへ

左上から
bP9、bT6、bU1、bU2、bU3b、bU4、bU5、bU6、bX4 の9枚

1985年優勝メンバーの主役が相次いで退団。

左から
bP2 R・バース(阪神)現役最後のカードか?
bT7 掛布雅之(阪神)こちらも現役最後のカードか?

阪急、南海は、この年で最後。89年からは、それぞれ、オリックス、ダイエーに。

左から
bR3 ブーマー(阪急)
bR4 山田久志(阪急)
bR7 香川伸行(南海)
bR8 門田博光(南海)

◆1988年シーズンを振り返って
 シーズン終了前に、南海の身売りが発表される。その後、阪急の身売りも。
 ヤクルトは、注目の長嶋一茂が入団。大リーガー・デシンセイがいたもんで、一茂の出番は少なかったね。関根監督も難しかったと思うよ。東京ドームでの公式戦初本塁打はデシンセイ。で、もう一人のハーパーは、まったく活躍できなかった。

◆1988年版カード収集について
 ついに、2013年4月、最後のcJードの入手に成功した。カードは、仲田(阪神)のbP07。テレビ画面からの写真を使用するもので、あまり綺麗な写真とは言えないが、まぁこれで、すっきりした。
 bU3のbタイプが入手できたのは、13年11月。これで、本当に全てコンプリートとなった。

◆その他のトピックス
 1988年ファーストカードを追え
 1988年の景品

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