2003年版を考察

◆2003年
 画期的な年となった。1973年に野球カードが発売されてから、初めて、球団別選手数の数が、12球団で同じになった。もちろん、タイトルカード、オールスターカードといったカードが発行されれば、大なり小なり球団別数は異なってくるのであるが、それ以外では平等に発行されることとなったのだ。
 よって、1973年から2002年まで、年度別で調査してきた球団別発行数の考察は、03年以降は、行わない。
 
・2003年版に発行されたカードの種類
 第1弾 レギュラーカード(bP〜84)
 タイトルホルダーカード(T1〜29)
 ベストナインカード(B1〜19)
 記録達成カード(TR1〜6)
 若手イチ押しカード(J1〜12)
 チェックリスト(C1〜4)
 第2弾 レギュラーカード(bW5〜168)
 開幕戦カード(OP1〜24)
 スターカード(S1〜24)
 チェックリスト(C5〜8)
 2003年オールスターカード(AS1〜55)
 チェックリスト(C9)

・第1弾
◆第1弾 レギュラーカード(bP〜84)
 昨年の順位通り、巨人から、ヤクルト、中日、阪神…と続く。各球団7枚ずつ計84枚が発行された。
 
左から
bP 清原和博(巨人)               (裏面)
bQ 二岡智宏(巨人)

◆タイトルホルダーカード(T1〜29)
 99年から、第1弾では、昨シーズンのタイトルホルダーのカード、第2弾以降で、チームの中心選手を選んでのスターカードという流れができたようだ。この1弾では、全部で29枚発行されている。
 この年は、タイトル1つにつき、1枚のカード。だから、松井(巨人)は、MVP、本塁打王、打点王、最高出塁率の4枚のカードが出ている。厳密に言うと、松井は、2003年シーズンからは、アメリカ大リーグのニューヨーク・ヤンキースに移籍したんだが、注釈つきでカード化された。

左から
T−1 松井秀喜(巨人)
T−7 松井秀喜(巨人)
T−9 松井秀喜(巨人)
T−13 松井秀喜(巨人)

この年から、新バージョン登場
 タイトルカードでは、格子版(左)と、パラレル版(右)の2タイプが発行された。角度を変えてカードをみると、それぞれ格子模様、斑点模様が虹色に浮かび上がるというカードである。出現率がかなり違うようで、パラレル版は希少価値がある。とはいえ、こちらまで全部を集めることはしていない。この年以降、パラレル版が発行されているのであるが、そこまでのコンプリートは、この時点で難しいと判断し、どちらか1枚が手に入ればそれで良しとした。

左から
bP3 松井秀喜(巨人)格子版
bP3 松井秀喜(巨人)パラレル版

◆ベストナインカード(B1〜19)
 昨シーズンのセ・パ両球団のベストナイン選手で構成されたシリーズ。
 
左から
B−1 上原浩治(巨人)              (裏面)
B−2 パウエル(近鉄)

◆記録達成カード(TR1〜6)
 昨シーズンに達成された記録を記念して発行されたシリーズ。
 通算500犠打(川相昌弘・巨人)、ノーヒットノーラン達成(川上憲伸・中日)、
 サイクルヒット達成(井端弘和・中日)、シーズン55HR達成(カブレラ・西武)、
 トリプル達成(松井稼頭央・西武)、33試合連続SP達成(小林雅英・ロッテ)
の以上6枚。
 
左から
TR−2 川上憲伸(中日)             (裏面)
TR−5 松井稼頭央(西武)

◆若手イチ押しカード(J1〜12)
 面白いシリーズである。各チーム将来を有望視されている若手を1名ずつ選んで発行されたシリーズ。が、しかし、このコラムを記述している2010年までの活躍度でいえば、少し残念な結果である選手も含まれている。カード化された選手のその後を記しておこうと思う。(あくまでも、私の主観で…)

J−1 真田裕貴(巨人)02年のドラフト1位。ルーキーイアーには12試合の登板で6勝を記録するも、登板機会は次第に減少。08年シーズン途中に横浜へ移籍。セットアッパーとして活躍している。

J−2 坂元弥太郎(ヤクルト)01年にドラフト4位でヤクルト入団。先発、中継ぎと、まずまずの活躍をしていた。08年に日ハムへ移籍。ここでも中継ぎ投手の役割を与えられ、勝ち星も記録して、順調に成長していくかに思えたが、09年は登板数が激減。10年には横浜へ移籍。関根順三さんがすっごく期待していたんだが…。

J−3 朝倉健太(中日)00年の中日ドラフト1位。血行障害などで登板できない時期もあったが、先発としてよく投げている。09年は2度目の二ケタ勝利を記録(10勝)。このカードでは背番号が41だが、現在は14。

J−4 金澤健人(阪神)99年阪神にドラフト2位で指名され、入団。07年には日ハム。09年にはオリックス。そして、10年シーズン途中にソフトバンクへと移籍した。キャリアハイは阪神2年目の00年かな。50試合に登板。中継ぎとして活躍し5勝1S。2004年には、1イニング4奪三振を記録。

J−5 栗原健太(広島)99年ドラフト3位で広島に入団。金本、新井が移籍していく中で、繰り上げ的に打順が4番になった感がある。第2回WBCでは、緊急補強としてサムライジャパンの一員になった。残念な予想をしなければならないんだが、故郷は山形。広島に骨を埋めるとは考えにくい。そのうちに、FAでどこかの球団へと移籍していくんではないか…。

J−6 古木克明(横浜)98年ドラフト1位で横浜に入団。若き長距離バッターとして期待されていたんだが…。03年は22本塁打を記録し、将来の4番バッターとなるかに思えたが、三振も多く、また、守備に難があり、次第に活躍の場が無くなっていった。08年にオリックスへ移籍。2年間在籍したが、ほとんど活躍できずに09年で引退。現在は、総合格闘家。

J−7 赤田将吾(西武)99年ドラフト2位で西武に入団。04年頃から外野で先発出場が増え、レギュラーに。07年から3年間は選手会長。ただし、同じ頃から常時出場できなくなり、2軍生活も増えた。10年の春季キャンプ中、オリックス・阿部との交換トレード。例年になく、本塁打を量産中。

J−8 岩隈 久志(近鉄)00年ドラフト5位で近鉄入団。初登板は01年。以後、近鉄のエースとして活躍。03年、04年と2年連続で15勝を記録。しかし、近鉄・オリックスの合併、新規参入球団楽天の誕生などの動きがある中、分配ドラフトでいったんはオリックスに入団、その後、金銭トレードで楽天への移籍となった(選手名鑑には、苦し紛れに、近鉄(00年D5位)−オリックス(04年限り)−楽天(05)となっている)。楽天入団後は苦しいシーズンもあったが、エースとしての活躍は十分果たしている。08年は21勝、また、第2回WBCでは、準決勝のキューバ戦で好投。日本の2連覇に貢献した。

J−9 川ア 宗則(ダイエー)こんなに長く活躍できるとは思ってもみなかった。00年ドラフト4位でダイエーに入団。01年シーズン終盤に1軍初出場。以後、ホークスの内野には欠かせない存在に成長。現在は、ショートのポジションを守っている。WBCに連続出場。控えではあったが、代走、守備要員と地味ではあったが活躍した。

J−10 今江敏晃(ロッテ)02年ドラフト3巡目指名でロッテ入団。04年頃からレギュラーに定着。05年からは、サードで4年連続ゴールデングラブ賞を獲得。05年の優勝時には3割、打点は71点と大活躍。愛称「ゴリ」。ミスターロッテ・有藤道世の背番号5を引き継いでいる。

J−11 實松一成(日ハム)99年ドラフト1位で日ハムに入団。01年、02年と出場数は伸びていったが、高橋信二にレギュラー争いに敗れると、控えに回ることが多くなった。06年には、岡島とのトレードで巨人へと移籍。同じく移籍した古城がそれなりの活躍を見せる中、實松は、なかなか出場機会に恵まれない。09年はついに、1軍出場が無かった。再起を期待。

J−12 平野恵一(オリックス)02年自由獲得枠でオリックス入団。2年目から外野と2塁手の併用でレギュラーに成長。小さい体でありながら、ダイナミックなプレーを連発し、ファンを沸かせた。04年、05年と規定打席にも到達し、レギュラーで活躍していたが、06年の千葉マリン球場でファールボールを追ってフェンスに激突。選手生命の危機に陥ったが、06年に復活。08年には浜中らとのトレードで阪神に移籍した。移籍後は、これまでにも増して、ヘッドスライディングを連発。阪神ファンの心をつかんだ。08年はカムバック賞。10年は、首位打者争いを繰り広げている。今シーズンは内野手登録。

 カードは、大活躍し、球界の顔となった選手を紹介する。裏面は、サイン色紙が掲載されている。しかも、一言が添えられているのが面白い。
 
左から
J−8 岩隈 久志(近鉄)                  (裏面)
J−9 川ア 宗則(ダイエー)
J−12 平野恵一(オリックス)

◆チェックリスト(C1〜4)
 表の写真は、02年の日本シリーズのもの。河原、二岡、カブレラ、原監督の胴上げ。

左から
C−1 河原純一(巨人) 日本シリーズ優勝決定シーン
C−2 二岡智宏(巨人) 日本シリーズMVP
C−3 カブレラ(西武) 日本シリーズ敢闘選手
C−4 原辰徳&巨人ナイン 日本シリーズ胴上げシーン

・第2弾
◆第2弾 レギュラーカード(bW5〜168)
 第1弾時と同様、各チーム同数の選手がカード化されている。ここでは、ルーキーとして初めてカード化されたセパ両リーグの選手たち8名を紹介する。当然、すべてがファーストカード。

左から
bW8 久保裕也(巨人)10年シーズン中盤現在、セットアッパーとして活躍中
bX0 木佐貫洋(巨人)オリックに移籍。10年シーズン中盤現在、先発投手として活躍中
bX4 高井雄平(ヤクルト)打者転向。10年シーズン中盤現在、2軍で奮闘中
bP17 永川勝浩(広島)10年シーズン中盤現在、2軍で調整中


左から
bP27 後藤武敏(西武)
bP31 長田秀一(西武)
bP44 新垣渚(ダイエー)
bP46 和田毅(ダイエー)

◆開幕戦カード(OP1〜24)
 昨年も同様のカードが発行されたが、6枚のみ。今年は、各球団の開幕投手と4番打者がカードになった。ここでは、阪神、ダイエーの日本人選手コンビの2チーム4名を紹介する。やはり、4番バッター、開幕投手は日本人でなきゃ、って、私は考えが古いかも…。
 
左から
OP−8 浜中おさむ(阪神)        (裏面)
OP−7 井川慶(阪神)          (裏面)

 
左から
OP−18 松中信彦(ダイエー)      (裏面)
OP−17 斉藤和巳(ダイエー)      (裏面)

◆スターカード(S1〜24)
 第2弾、第3弾共通のスターカード。第1弾のタイトルカードと同様、格子版とパラレル版がある。ここでは、大リーグ経験者、在籍者の3名を紹介する。裏面は、格子版もパラレル版も同じデザイン。
 
左から
S−14 松坂大輔(西武)格子版     (裏面)
S−14 松坂大輔(西武)パラレル版

 
左から
S−17 城島健司(ダイエー)格子版   S−13 松坂稼頭央(西武)格子版
S−17 城島健司(ダイエー)パラレル版 S−13 松坂稼頭央(西武)パラレル版

◆チェックリスト(C5〜8)
 第2弾で発行されたカードのリストが裏面に載っているカード。

C−8 杉内俊哉(ダイエー)03年完封第一号

・第3弾
◆2003年オールスターカード(AS1〜55)
 03年オールスターに出場した選手のみで構成されたシリーズ。
 カルビーホームページには気になる記述がある。
 ※オールスター選手のうち、一部選手はカード化されませんでした。←てなことがHPのリストに載っており、調べてみることに。そしたら、伊良部選手(阪神)であることが判明。この年のカードには、結局、彼のカードは1枚も発行されなかったことになる。大リーグに移籍していたし、版権の問題とかがあったのかも? 大人の事情によるものであろう。
 で、カードの話に戻そう。オールスターに選出される方法は2つあり、1つはファン投票。もうひとつは、監督推薦。ファン投票のカードは表のロゴも裏の色も黄色が主体で作られているが、監督推薦の場合は、それらが白色となっている。ここでは、セパ両リーグの最多選出の選手2名を紹介しよう。
 
左から
AS−12 古田敦也(ヤクルト)オールスター選出14回目[監督推薦]
AS−50 ローズ(近鉄)オールスター選出7回目[ファン投票選出]

◆チェックリスト(C9)
 オールスター戦に選出されたカードのリストが載っている。

C−9 03年オールスター第2戦(千葉マリンスタジアム)

◆2003年シーズンを振り返って
 セリーグは、星野監督率いる阪神タイガースが優勝。85年の優勝以来、実に久しぶりのトラフィーバーの年となった。また、昨年就任1年目にして優勝した巨人原監督は、3位で辞任。パリーグは、ダイエー王監督が制覇。日本シリーズでは、本拠地開催チームが全部勝つという展開となり、4勝3敗でダイエーの日本一。斉藤和巳(ダイエー)が大活躍。20勝を記録し、投手タイトル総なめ、沢村賞まで獲得した。

◆2003年版カード収集について
 この年にコンプリート達成。第3弾はあんまり購入しなかったので、オールスターカードは、1枚しか持っていないというものが多い。

                             (祝! コンプリート )

◆その他のトピックス
 2003年の詳細リスト
 2003年ファーストカードを追え
 2003年の景品
 2003年の出現カード数
 2003年球場配布カード

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