プロ野球カードを語る


同姓同名選手

 有名なのは、“ヤマモトコウジ”。この両選手のカードを見てコラムを思いついた。他にも、“タナカユキオ”、“サイトウユウキ”等がいる。不思議なのは、この4組とも同姓同名同士、活躍時期が同じだということ。不幸にも、山本功児は「偽コウジー」ってやじられていたっけ。結局、最初に活躍した選手の印象が強く、後に活躍しても前述のようなことになってしまうのである。
 ただし、緒方の場合は、最初に活躍していた巨人の緒方よりも、後に出てきた広島の緒方の活躍度の方が高くなり、実績も知名度においても逆転した。

@“ヤマモトコウジ”
・山本浩司(のちに浩二)(広島69@〜86)
 69年ドラフト1位で広島に入団。背番号は当初27を付けていたが、山内一弘引退後は8を付けた。また、75年からは、登録名を“浩二”に変えている。ミスター赤ヘル。

左から
73年 bU1(バット版)
76年 bS13
82年 bQ93
86年 bR4

・山本功児(巨人76D〜83、ロッテ84〜88)
 広島の山本浩二と同時期に活躍した。現役引退後は、ロッテ監督も務めている。

左から
81年 bR32
83年 bT91
85年 bR60 ロッテ唯一のカードか?      他 ロッテとカルビー参照

A“タナカユキオ”
 この選手に関しては、漢字まで一緒。しかも、同じチームに所属していたため、スコアボード表記やユニークな愛称が双方に付けられた。

・田中幸雄(投手)(日ハム82@〜89、中日90〜91)
 特記としては、85年6月9日にノーヒットノーラン達成。その年に初の規定投球回数に達した。86年は、リリーフで活躍。しかし、その後尻すぼみ。90年には中日へ。2年間在籍したが、1軍登板なし。現在は、横浜のスカウト。
 野手・田中幸雄と区別するため、当時監督であった大沢氏は「オオユキ」と呼んだ。

86年 bP95 

・田中幸雄(野手)(日ハム85B〜07)
 85年ドラフト3位で日ハム入団。投手の田中幸雄と区別するため、当時監督の大沢は、「コユキ」という愛称を多用していた。
 2007年に2000本安打達成。その年で現役を引退した。

左から
90年 bS7 
91年 bW4 
95年 bS2
96年 bS7
07年 bQ19 2000本安打達成記念の写真が使われている

B“オガタコウイチ”
 私が先に知ったのは緒方耕一(巨人)の方。2人とも、レギュラーとして活躍したし、注目されたからカードは双方とも結構ある。

・緒方耕一(巨人87E〜98)
 ジャイアンツの1番バッターとして活躍。90年頃は、1番緒方、2番川相の並びが脅威だった。盗塁王は2回(90、93)獲得している。
 最近では、第2回WBCのコーチとして、日本の世界一に貢献。

左から
91年 bP57
92年 bV7
94年 bP24

・緒方孝市(広島87B〜09)
 感動的な引退試合だった(BSで放送があったんで嬉しかった)。まずは守備。広島時代の同僚・木村拓哉が、センター緒方にフライを打ち上げた(木村も同じ年に引退)。なんか、打った方も取った方も嬉しそうだった。そして、最後の打席。ジャイアンツバッテリーも直球勝負。初球を右中間に運んだ。そして、三塁打(ヘッドスライディング)。2塁をまわった時には足がもつれていたけれども、緒方らしく突っ込んだね。

左から
98年 bU(初版)
02年 OP3
09年 S43(STARCARD)
10年 TS5(TEAMSTATS)

C“サイトウユウキ”
・齊藤悠葵(広島高B06〜)
 広島の齊藤悠葵は、06年に広島に入団していた。注目されて日ハムに入団した斎藤佑樹が入団した時に、この広島のサイトウに触れるマスコミは皆無。09年には、先発で活躍し、9勝も記録しているのに。
 @〜Bで紹介した3組は、いずれも同時期にしかも、同リーグに所属していたため、対戦したり、同一チームで同時に出場していたりできた。このサイトウは、セ・リーグ、パ・リーグに分かれており、対戦することは難しいだろうって思っていたら、なんと、2012年6月に交流戦で対戦するとのこと。この時に、世間では初めて同姓同名選手がいると、一般の放送局では報道するのではないだろうか。

左から
09年 bQ82 09年成績 27試合9勝11敗 防3.99
10年 bR7

・斎藤佑樹(日ハム@11〜)
 高校時には、夏の甲子園で田中(現楽天投手)と投げ合って見事勝利し優勝。高校卒業後は、早稲田大学に進学し、ここでも優勝。2011年には日ハムにドラフト指名されて入団。6勝を記録。2年目の12年には栗山新監督のもと、開幕投手に起用され、その期待にこたえて先発ローテーションの軸となって活躍している。

左から
11年 D4(ファーストカード)
11年 bX8
11年 S32


◆今後の展望
 これからも、いくつか出てくるであろう。40年発行されて4組だけだったが、実際にはカードになっていないケースがもう少しあるのではないだろうか。
 これを機に、親子選手、兄弟選手等も調べて載せてみるのも楽しいかもしれない。
 現役では、サイトウ・ペアだけであるので、今後、何枚も同時期に発行されるように活躍を期待したい。


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